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危機管理マニュアル Ⅷ

Ⅷ いじめ

重要事項

1 いじめは人権侵害であり絶対に許されない行為である。事業所はいじめられている利用者の立場に立ち、全力でその利用者を守り、問題の解決を図る。

2 いじめられた利用者は心理的に非常に追いつめられた状況になる。本人の立場に立って共感的にかかわり、心のケアを図ること。

3 いじめの指導にあたっては、事業所全体で取り組み、組織的に対応していくこと。また、保護者との連携、協力関係を築くこと。

1 いじめの発見者の対応

 いじめの情報を知った職員は、管理者に連絡する。

2 いじめ防止対策のための委員会の設置

 いじめの情報を得た管理者はいじめ防止対策委員会を開き、対応方針を決定する。

3 いじめられた利用者からの事実確認

 管理者と担当のチロルⅠ・Ⅱ責任者で、これまでの経過を共通理解し、いじめ防止対策委員会の方針により複数の職員でいじめられた利用者からの事実確認を行う。この際、利用者の思いや願いをしっかりと聞きながら、可能な限り詳細に聞く。また、利用者の心情として、いじめられている事実を正直に言えない場合や、感情が高ぶることがあるので、時間をかけて共感的にじっくりと聞きながら事実確認をする。

4 いじめられた利用者・周囲の利用者からの事実の調査・確認

(1)『いつ、どこで、だれが、だれと、何を、どのように、どうした』に基づき、正確に事実を把握する。聞き取る際には、利用者の人権やプライバシーに配慮するとともに、思い込みや憶測が入らないように慎重に行う。

(2)周囲の利用者から聞き取る際には、グループ面接など問いかけから聞き取りを行うなどの工夫を行う。

5 指導・支援内容の決定及び役割分担

(1)管理者はいじめ防止対策員会を招集し、これまでの情報を基に協議し、課題を明確にするとともに、今後の指導・支援内容、役割分担について決定する。

(2)状況に応じ以下のような対応が考えられる。また、必要に応じていじめ防止対策員会を招集し、進捗を確認し、状況により指導・支援内容、役割分担の見直しを行う。

6 いじめられた利用者・保護者への対応

 管理者や関係職員で、これまでの経過を共通理解し、必要な場合には家庭訪問を行う。その場合、配慮すべき点を確認した上で、担当のチロルⅠ・Ⅱ責任者を含めた複数職員で対応すること。

① 利用者に対しては、保護者の了承を得た上で、事実確認を行うこと。

② 利用者の思いや願いをしっかりと聞きながら、可能な限り詳細に聞くこと。

③ 利庄派の心情として、いじめられている事実を正直に言えない場合や、感情が高ぶることがあるので、時間をかけて共感的にじっくりと聞きながら事実確認をすること。

7 いじめた利用者・保護者への対応

(1)家庭訪問等により、利用者と保護者に直接対応する。その際、チロルⅠ・Ⅱ責任者だけでなく、複数の職員が同席し、対応すること。

(2)利用者に確認した事実に基づき、行った行為及びその行為を受けた利用者の心情を伝える。そして行為の重大性に気付かせ、反省を促すとともに、謝罪の方法等について共に考えながら指導すること。

(3)保護者にいじめの解決を通して利用者のより良い成長を促したいという職員の願いを伝え、協力を求めること。

(4)保護者が孤独感を感じないように配慮し、保護者とともに解決に向けての取り組みを考えながら、家庭での利用者への接し方等について助言すること。

8 事業所全体への指導

(1)いじめられた者の辛さを理解させるとともに、はやし立てたり傍観したりする行為がいじめを助長させることを理解させ、いじめを許さない態度の育成を図ること。

(2)いじめの事実を伝えて指導する場合は、必ず本人と保護者の了解を得て行うこと。

9 指導の継続

(1)該当するチロルⅠ・Ⅱ責任者は、いじめられた利用者やいじめた利用者の保護者に指導経過を報告したり、その後の家庭での様子について情報交換したりするなど、継続して利用者の成長を見守ること。

(2)関係した利用者の成長についての情報を職員間で定期的に交換し、共有化を図る。また、職員から声をかけ、見守り続けているという安心感を与えるようにすること。

10 関係機関との連携

(1)利用者に対する継続的なカウンセリングを実施するなど相談機関等との連携を図ること。

(2)暴力、恐喝を伴ういじめについては、早急に警察との連携を図ること。

未然防止のポイント

(1)いじめに対する事業所内体制の確立

 いじめ防止対策委員会を設置し、職員の認識を高まる取り組みや、悩み調査を実施する取り組み、綿

密な情報交換等により、いじめの早期発見に向けた取り組みを充実する。また、いじめは絶対に許さな

いという職員の姿勢を日頃から折に触れて利用者に示すこと。

(2)いじめを許さない事業所づくり

 様々な活動を通じて、いじめを見つけたら利用者がその場で注意することができる、いじめを許さな

い事業所づくりを行うこと。

(3)相談活動の充実

 定期的な面談や、職員から積極的に声をかけて気軽の相談できるような場面づくりを心掛け、利用者

一人ひとりと話し合う機会を多く作ること。また、個人面接や集団面接など面接方法も工夫すること。

(4)保護者・地域との連携

 保護者・相談支援員など地域の関係機関からも情報が得やすいように、保護者や相談支援員など地域

の関係機関と定期的に連絡を取り合うなど。連絡体制を確立すること。

TEL:092-407-0456